今日の
ライター:
小川たまか
小川たまか
『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(出口宗和/二見書房)という本が売れているようです。誰でも毎日見たり使ったりする漢字という題材であること、そして500円というリーズナブルな価格で1,800語以上の言葉が紹介されているボリューム感もウケているらしい。
漢字の読み間違いと言えば、私も顔から火が出るような読み間違いをしていたことも一度や二度ではありません。大学院で江戸文学を専攻していたころ、あまりの読み間違いの多さに担当教授から「迷ったら音読みしろ。君の場合は音読みができればそれでOKとする」と言われたこともあったなぁ……。この本の筆者の方も、そんな悩みを抱えて企画に至ったのか? 勝手に「似たもの同士なのでは?」という期待を胸に、著者の出口さんにお話を伺いました。
――2003年に文庫として刊行されたものを昨年2月に改装改訂してB6判で発売したんですよね。最近になってから売れているのは、やはり首相の読み間違いをマスコミがよく取り上げた影響もあるのでは……とも推測されますが。
出口さん:う~ん。変な言い方ですが、文庫版のときも売れ行きは良かったし、首相の話題が出る前も売れていたんですよ(笑)。確かに首相の件がらみでマスコミに取り上げられての反響は大きかったけれど、元から関心を持たれやすいものではありますからね。
――そうですね、すみません……。そもそもの企画の発端は何だったのでしょう?
出口さん:「読めない漢字」ではなくて、「多くの人が読み間違えているけれど、気付いていない漢字」は結構多いなと気付いたことがきっかけですね。独擅場(どくせんじょう)を「どくだんじょう」と読んでしまうとか、凡例(はんれい)を「ぼんれい」と読んでしまうとかね。首相との関連で読み間違いを持ち出されるのにちょっと違和感を感じるのは、踏襲(とうしゅう)を「ふしゅう」と読んでしまったりする首相の読み間違いは、この本では想定外だったんですよ。まさかそんな間違いをするとは思わなかった。首相が読み間違えた漢字で載っているものは少ないんじゃないかな。
――分かっているつもりだけど実は間違えている漢字を集めたんですね。
出口さん:まあ、最初はそのつもりだったんですけど、結果的にかなり多くの漢字を載せたので、中には普段見慣れない漢字もありますね。ちょっとやりすぎちゃったかもしれないですね(笑)。
――出口さん自身が読み間違えていた!という漢字はあるんですか?
出口さん:う~ん……。掲載したものの、困った漢字はありますね。例えば、「三昧」の読み方を「ざんまい」と載せているのですが、「読書三昧」のように上に何かの言葉がつく際だけ「ざんまい」になるのであって、単体だと「さんまい」なのではないか?というクレームが来ましたね。
――読者の方からですか?
出口さん:はい。下は30代から、上は70代、80代の方までいろいろな方からご指摘がありますね。考えさせられる指摘もありますし、「それはちょっと違うなあ」というものもあります。ただ、いろいろな指摘があるということは読まれている証拠なので嬉しいことですね。
――私は勝手に、出口さんは歴史に関するご著書もあるので(※参照)、歴史を勉強する過程で、「読み間違えていた漢字が多いなあ」と気付いて漢字の勉強をされ、結果的に歴史にも漢字にも詳しくなったとイメージしていました。
出口さん:「詳しいか詳しくないか」というのは線引きがないですからね。まだまだ勉強中ですよ。タイガースファンなのでタイガースのことなら1時間でも2時間でも話せますけれど(笑)。
ぜひタイガースのことも伺いたかったのですが、文字数オーバーで申し訳ありません。「似たもの同士なのでは?」という勝手な詮索は当たりませんでしたが(私はライオンズファンだし……)、お話してみて出口さんはとても気さくな人柄だということが判明。漢字や歴史の本を出されていることで、カタい人では? なんてイメージしていてすみませんでした。ゆめゆめ、頑迷固陋(ころう)に陥らぬよう、これからも精進して参りたいと思います。
※『邪馬台国99の謎』『太平洋戦争99の謎』『三種の神器の謎』(すべて二見書房)。
(小川たまか/プレスラボ)
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